腰にある神経の束が圧迫を受け、足に通じる神経が侵されることで起こるのが間欠性跛行です。脊柱管狭窄症患者さんに著書に見られるのが、この間欠性跛行ですが、1回に歩ける距離が100メートル以下になった場合、手術の基準となっています。
間欠性跛行は歩行困難になるほど痛む場合もありますが、痛みがさほど無ければ日常生活に影響を及ぼすことはあまりありません。しかし、歩行が出来たとしても、歩き出しから15分程度経つとしびれや痛み、またツッパリ感などが起こると、歩くことが困難になります。
また、この状態で上体をかがむように休憩を取ると歩くことができるようになります。最近では、この状態を「
腰曲げ休憩」などと呼ばれるようになりました。
歩行時は背筋を伸ばしますが、この状態では神経が圧迫されやすくなります。圧迫を受けると血行も悪くなります。しばらく休むと症状が緩和されますが、何度も同じような繰り返しが持続するということでもありません。
間欠性跛行の症状を緩和させるためには、運動療法が有効です。ウォーキングやエアロバイク、筋力トレーニングなどを用いて、身体の筋力アップを図ります。
トレーニングをする時、腹筋や背筋、大腿四頭筋などを鍛えていくことが、間欠性跛行の症状を改善するのに大事になります。
また、これらの運動は出来るだけ腰を反らせないように行うのがコツです。その他に、間欠性跛行を和らげる方法として、物理療法があります。温熱療法や電気刺激、牽引などが主です。
牽引とはご存知の方も多いと思いますが、腰の部位を中心として身体を物理的に強く伸ばすようにアプローチするものです。程度は外来と入院でも違います。古くから用いられている近代的な療法の1つです。
しかし、牽引は人によって、合う、合わないがあります。もし、牽引をされてみて、間欠性跛行の症状が悪化するようでしたら、すぐに中止するようにします。
また、コルセットや前屈状態を維持出来るような、装具を使用した装具療法も大切です。特に痛みが酷い場合には、長い間痛みが起こる姿勢を矯正することができます。
また、血管拡張剤や循環促進剤、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤、ビタミン剤や温湿布剤などを用いた薬物療法も用いられます。
間欠性跛行はとても辛い症状です。足、そして腰にも痛みやしびれがあるのですから、動くのが億劫になるのは仕方の無いことです。しかし、安静だけでは身体の筋力徐々に落ちていき、症状がどんどん悪化してまいます。
間欠性跛行を改善するには、身体に筋力をつけていくことがとても大事になっていきます。ですので、痛みがあるからと言って、ただ安静にしているのではなく、積極的に身体を動かすようにしていくことが求められます。