脊柱管というのは、脳から降りてくる脊髄神経が通る穴のことを言います。この穴は上から見ると三角形になっていますが、それが老化や運動不足により、体の筋力の低下を招くと、腰椎が変形を起こし、軟骨がついてきます。
そうすると脊柱管が圧迫を受け、神経が通る道が狭くなります。このことが原因で脊柱管狭窄症を発症します。またヘルニアなどによって、脊髄神経が通る穴が圧迫を受けると同様に症状を発症します。
まだ、軽度の症状であるうちは、患部を安静に保ちながら生活することが可能ですが、症状が酷くなってくると、歩行をすることも出来なくなり、数メートル歩くのに休み、休みでないと歩けなくなることがあります。このような状態を「
間欠性跛行」と言います。
また、痛みがさほど酷くない場合、ストレッチやマッサージ、その他の治療を受け改善を図っていきます。脊柱管狭窄症はレントゲンやMRIなどの画像診断を受ければ、すぐに結果が分かります。
画像診断の結果、それほど症状が進行していないという場合、ストレッチやマッサージ等で改善する場合がほとんどです。また、ストレッチは予防法としてもとても高い効果があります。
やり方としては、血液の循環を改善するためのストレッチや、骨盤後傾運動、収縮できないことで腰に大きな負担のかかる腹横筋と多裂筋を安定させるために行う、深部体幹筋のストレッチなどがあります。
また、ストレッチは毎日行うことで症状の進行を防ぐ効果もあります。脊柱管狭窄症が発症すると、筋力の低下は著しく出ますし、姿勢も痛むような程までは曲げられないことが多くなるため、関節などもだんだんと言う事を聞かなくなる恐れもあります。
このことを防ぐためにもストレッチはとても重要な治療の一つとなります。ですが、間欠性跛行などの症状が進行してしまうと、通常の治療では改善出来ないケースがほとんどで、手術を行うケースが多くなります。
手術を行う基準として、間欠性跛行の症状が出て、100メートル歩けなくなると手術の適応基準の一つとなるようです。また、間欠性跛行の症状を患ってしまった場合、自転車での移動はとても有効になります。
脊柱管狭窄症は腰を前に倒すと痛みが和らぐという特徴があり、自転車に乗ると、丁度、前のめりの状態になるため、腰の痛みを抑えられます。
また、自転車に乗ることで、筋力アップにも繋がります。しかし、事故にでも合ってしまったら大変ですので、移動などに使う時は十分に注意が必要となります。
その他の治療として、運動療法がありますが、運動療法を行う場合、どのようなものでも腰に負担がかかってしまう原因になるのではないか?と疑問に思う方も多いでことしょう。
しかし、それを恐れていつまでも安静にしていると筋力低下に繋がり、返って症状が悪化したり、治りが遅くなってしまいます。ですので、痛みがあまり無いのであれば、運動療法を積極的に行い、腰椎周りに筋力をつけていくことが大事になります。
また、腰には多少の負担をかけながらも、それを最小限に抑える方法はたくさんあります。例えば、水泳などの浮力を利用する水中ウオーキングなどがあります。
水中ウオーキングは重力の負担がかからないため、リハビリにはとても良いですが、過度にやり過ぎたり、水中ウオーキングに頼りすぎるのは良くありません。
先程もお話しましたが、脊柱管狭窄症を改善するには腰椎周りの筋力強化は必須になってきます。ですので、重力がかからない水中ウオーキングばかり行っていると、根本的な改善にはいつまでも経っても至らなくなります。
ですので、出来るだけ重力のかかる、地上でリハビリを行い、腰椎の筋力強化を図ることが求められます。脊柱管狭窄症になってしまった原因をしっかりと突き止めれば、必ず改善することは出来ます。
もし、あなたも長いこと脊柱管狭窄症に悩まされいるのであれば、原因を再度しっかりと追求し、自分に適した治療を行い、筋力強化を図ることが出来れば、かなり高い確率で改善されていくと思いますので、最後まで決して諦めることなく、治療を続けてください。